不登校、学校が合わない…そんなあなたに!通信制中学とフリースクールのメリット・デメリットを解説
「学校に行きたくない」「今の学校が合わない」と感じている中学生の方は少なくありません。そんな悩みを抱える子や、その子の将来を案じる保護者の方へ。 この記事では、学校生活の選択肢を広げる「通信制中学」と「フリースクール」について詳しく解説します。それぞれの違いやメリット・デメリットを理解したうえで、どちらが自分に合った学び方なのか、具体的な事例を交えながら判断基準を見つけていきましょう。 一人で悩まず、未来の可能性を広げる一歩を踏み出しましょう。
1. 通信制中学とは?
「学校に行きたいけど、毎日通学するのは難しい」「自分のペースで勉強したい」そんな中学生やその保護者の方にとって、通信制中学はひとつの選択肢となりえます。ここでは、通信制中学の概要、学習スタイル、卒業資格取得について、そして気になる学費について詳しく解説していきます。
1.1 学習スタイル
通信制中学の最大の特徴は、自分のペースで学習を進められる柔軟性にあります。基本的には自宅学習が中心となり、レポート提出やスクーリングと呼ばれる登校日、定期試験などを組み合わせて学習を進めていきます。
1.1.1 自宅学習
- 教科書や教材を使って、自分のペースで学習を進めます。
- わからないことがあれば、電話やメール、オンラインで先生に質問することも可能です。
1.1.2 スクーリング
- 学校に登校し、先生や他の生徒と直接顔を合わせて授業を受けます。
- 年間で数日~数十日程度設定されている場合が多く、学校によって異なります。
- 実験や実習、グループワークなど、自宅学習では難しい内容を学ぶ貴重な機会となります。
1.1.3 レポート提出
- 各教科の学習内容を理解しているかどうかを確認するために、定期的にレポートを提出します。
- レポート作成を通して、学習内容の理解を深めることができます。
1.1.4 定期試験
- 年に数回、学校で定期試験が実施されます。
- 自宅学習やスクーリングで習得した成果を試す機会となります。
1.2 卒業資格
通信制中学も、一般的な全日制中学と同じように、卒業に必要な単位を修得することで中学校卒業資格を取得できます。卒業資格は進路選択において非常に重要となるため、しっかりと学習計画を立て、必要な単位を取得できるように努力することが大切です。
1.3 学費
通信制中学の学費は、学校によって大きく異なります。公立と私立では大きな差があり、私立の中でもコース設定やサポート体制によって費用が異なる場合もあります。具体的な内訳としては、入学金、授業料、教材費などが挙げられます。また、学校によっては、スクーリングにかかる交通費や宿泊費が別途発生する場合もあります。
以下は、一般的な通信制中学の学費の目安です。
区分 | 入学金 | 年間授業料 |
---|---|---|
公立中学の夜間学級・通信教育コース | 無料 | 数千円~数万円程度 |
私立通信制中学 | 数万円~数十万円程度 | 数十万円~数百万円程度 |
学費は学校によって大きく異なるため、必ず複数の学校を比較検討し、自分に合った学校を選ぶようにしましょう。また、経済的な事情で学費の支払いが難しい場合は、就学支援金制度や奨学金制度を利用できる可能性もあります。 各学校のホームページやパンフレットで確認するか、直接学校に問い合わせてみましょう。
通信制中学は、一般的な全日制中学とは異なる学習スタイルや制度を持つため、事前にしっかりと情報収集を行うことが重要です。資料請求や学校説明会などを活用して、自分に合った学習環境かどうかを見極めましょう。
2. フリースクールとは?
フリースクールとは、一般的な学校教育の枠組みから外れ、独自の教育方針やカリキュラムで子どもたちの学習や成長を支援する場です。学校に行きづらい、学校の授業についていけない、あるいは学校以外の学びの場を求めているなど、様々な理由で子どもたちが通っています。
2.1 フリースクールの種類
一言にフリースクールといっても、その形態は様々です。大きく分けると、以下の3つの種類に分類できます。
種類 | 特徴 |
---|---|
オルタナティブスクール | 既存の学校教育とは異なる独自の教育理念やカリキュラムに基づいて運営されています。独自の教育方法を実践している点が特徴です。 例:シュタイナー教育、モンテッソーリ教育を取り入れたフリースクール |
サポート校 | 学校復帰を目指す子どもたちを対象に、学習支援や生活指導などを行っています。不登校の経験から学校生活に不安を抱える子どもたちのサポートに力を入れている点が特徴です。 |
その他 | 特定のテーマや活動に特化したフリースクールです。 例:自然体験学習、アート、プログラミング、国際交流など |
2.2 フリースクールでできること
フリースクールでは、子どもたちの個性や状況に合わせて、様々な活動やサポートを提供しています。主な活動内容は以下の通りです。
- 学習支援:学校の授業の遅れを取り戻すための個別指導や、興味関心のある分野を深めるための自由研究など、子どもたちの学習意欲を高めるサポートを行います。
- 体験活動:自然体験、農業体験、芸術活動、スポーツなど、学校では経験できないような多様な体験を通して、子どもたちの感性や創造性を育みます。
- 社会との交流:地域活動への参加やボランティア活動などを通して、子どもたちの社会性を育み、地域社会とのつながりを築きます。
- カウンセリング:不登校や人間関係の悩みなど、子どもたちの抱える問題に寄り添い、専門的な立場からカウンセリングを行います。
2.3 費用
フリースクールの費用は、運営形態やサービス内容によって大きく異なります。月額制で数万円程度のところもあれば、年間数十万円かかる場合もあります。また、入学金や教材費、活動費などが別途かかる場合もあります。
費用については、事前に各フリースクールに確認することをおすすめします。経済的な事情でフリースクールへの通学が難しい場合は、文部科学省の就学支援制度や、各自治体の助成制度などを利用できる場合があります。
3. 通信制中学とフリースクールのメリット・デメリット
3.1 通信制中学のメリット
3.1.1 自分のペースで学習できる
通信制中学は、自分のペースで学習を進められることが大きなメリットです。学校に通う時間や日数が決まっていないため、自分のライフスタイルに合わせて学習計画を立てられます。部活動や習い事、仕事など、他の活動と両立させたい場合にもおすすめです。
3.1.2 自分の興味関心を追求できる
通信制中学の中には、専門的なコースや選択科目が充実している学校もあります。自分の興味関心のある分野を深く学ぶことができます。将来の夢や目標に合わせて、必要な知識やスキルを身につけることができます。
3.1.3 不登校経験のある生徒も安心
通信制中学は、不登校経験のある生徒にとっても、安心して学習できる環境です。通学自体に抵抗がある場合でも、自宅で自分のペースで学習を進められます。また、スクーリングやイベントなどを通して、他の生徒と交流する機会もあります。
3.1.4 学費が比較的安い
通信制中学の学費は、全日制の私立中学と比べて比較的安いです。経済的な負担を抑えながら、中学卒業資格を取得することができます。
3.2 通信制中学のデメリット
3.2.1 自己管理能力が必要
通信制中学は、自分のペースで学習を進められる反面、自己管理能力が求められます。学習計画を立て、計画的に学習を進めていく必要があります。モチベーションを維持するため、周りのサポートも重要です。
3.2.2 友達ができにくい
通信制中学は、通学する機会が少ないため、友達ができにくいという側面があります。スクーリングやイベントなどに参加して、積極的に交流する必要があります。オンラインでつながれる環境を提供している学校もあります。
3.2.3 進路選択が限られる場合がある
通信制中学の中には、全日制高校への進学に力を入れている学校も多いですが、中には対応していない学校もあります。高校進学を希望する場合は、事前に学校の進路指導体制を確認しておく必要があります。
3.3 フリースクールのメリット
3.3.1 多様な学びの場
フリースクールは、従来の学校教育とは異なる、多様な学びの場を提供しています。体験学習やプロジェクト学習などを通して、子どもたちの自主性や創造性を育むことを重視しています。
3.3.2 個性を尊重した教育
フリースクールは、子どもたちの個性を尊重し、一人ひとりのペースに合わせて学習を進めることができます。従来の学校教育では、なかなか馴染めなかった子どもたちにとっても、安心して過ごせる居場所となります。
3.3.3 不登校やひきこもりの支援
フリースクールは、不登校やひきこもりの子どもたちへの支援にも力を入れています。子どもたちの状況に合わせて、柔軟に対応してくれるところがほとんどです。安心して相談できるスタッフがいることもメリットです。
3.4 フリースクールのデメリット
3.4.1 費用が高い
フリースクールは、学校教育法で定められた学校ではないため、公的な補助金が少なく、費用が高くなる傾向があります。経済的な負担が大きくなってしまう場合もあるため、事前にしっかりと検討する必要があります。
3.4.2 卒業資格は取得できない
フリースクールでは、中学卒業資格を取得することはできません。卒業資格取得を目指す場合は、通信制中学と併用するなどの方法を検討する必要があります。
3.4.3 質に差がある
フリースクールは、その運営方針や教育内容、スタッフの質など、学校によって大きな差があります。事前にしっかりと情報収集を行い、自分に合ったフリースクールを選ぶことが大切です。
4. 通信制中学とフリースクール、どんな人におすすめ?
4.1 通信制中学がおすすめの人
- 自分のペースで学習を進めたい人
- 不登校を経験し、学校に通うことに抵抗がある人
- 学費を抑えながら中学卒業資格を取得したい人
- 特定の分野を深く学びたい、興味関心を追求したい人
4.2 フリースクールがおすすめの人
- 従来の学校教育の枠にとらわれず、自由に学びたい人
- 自分の個性を活かせる環境で過ごしたい人
- 不登校やひきこもりから立ち直りたい人
- 安心して過ごせる居場所を探している人
4.3 通信制中学とフリースクールの併用
通信制中学とフリースクールは、併用することも可能です。通信制中学で卒業資格を取得しながら、フリースクールで自分の興味関心を追求したり、安心して過ごせる居場所として利用したりすることができます。それぞれのメリットを活かしながら、自分に合った学習スタイルを見つけることができます。
ただし、費用や学習時間の調整など、注意すべき点もあります。事前にしっかりと情報収集を行い、両方のバランスを考えながら、慎重に検討することが大切です。
5. 不登校・学校が合わない…相談窓口を紹介
不登校や学校が合わないなどの悩みを抱えている場合は、一人で抱え込まずに、信頼できる人に相談したり、専門機関に相談することをおすすめします。相談することで、気持ちが楽になったり、新たな解決策が見つかることもあります。
- お近くの教育相談センター: 各都道府県教育委員会が設置している教育相談センターでは、不登校や学校生活の悩みについて、専門の相談員が相談に応じてくれます。(文部科学省:都道府県教育委員会・政令指定都市教育委員会一覧)
- よりそいホットライン: いじめや虐待、不登校、ひきこもりなど、様々な悩みを抱える人のための相談窓口です。電話やメールで相談することができます。(よりそいホットライン)
- TELL(英語対応可): 臨床心理学、精神科、ソーシャルワーク、カップル・家族療法などを専門とする専門家によるカウンセリング及び心理アセスメントを提供している相談窓口。電話やチャットで相談することができます。(TELL)
6. 通信制中学とフリースクール、どんな人におすすめ?
通信制中学とフリースクールは、それぞれに特徴があり、向き不向きがあります。ここでは、それぞれの学び方がどんな人におすすめなのかを詳しく解説していきます。
6.1 通信制中学がおすすめの人
通信制中学は、次のような生徒におすすめです。
6.1.1 自分のペースで学習を進めたい人
通信制中学は、文部科学省が定めるカリキュラムに沿って学習を進めますが、自分のペースで学習を進めることができます。そのため、自分のペースでじっくり学習したい人や、他の活動と両立しながら学習したい人に向いています。たとえば、以下のような人に向いています。
- 学業と両立して、スポーツや芸術活動などに力を入れていきたいと考えている人
- 自分のペースでじっくりと学習したい人
- 不登校の経験があり、自分のペースで学習を進められる環境を求めている人
6.1.2 集団生活を送ることに不安がある人
通信制中学には、スクーリングやイベントなど、他の生徒と交流する機会もありますが、全日制の学校に比べて集団生活を送る時間は少なくなります。そのため、集団生活を送ることに不安がある人や、人間関係で悩んでいる人にもおすすめです。
6.1.3 学費を抑えたい人
通信制中学は、全日制の学校に比べて学費が安い場合が多いです。学費を抑えたい人にとっても、通信制中学は選択肢の一つとなります。
6.2 フリースクールがおすすめの人
フリースクールは、次のような生徒におすすめです。
6.2.1 学校以外の場所で学びたい人
フリースクールは、学校以外の場所で、様々な活動を通して学習することができます。そのため、従来の学校の枠にとらわれずに、自由に学びたい人に向いています。たとえば、以下のような人に向いています。
- 学校という空間に馴染めない、または息苦しさを感じる人
- 既存の教育システムに疑問を感じている人
- 自分の興味関心に基づいた学びを深めたい人
6.2.2 自分のペースで、自分の興味関心に沿って学びたい人
フリースクールでは、生徒一人ひとりの興味関心やペースに合わせて、柔軟な学習プログラムを提供しています。そのため、自分のペースで、自分の興味関心に沿って学びたい人に向いています。
6.2.3 社会とのつながりを持ちたい人
フリースクールでは、地域活動への参加やボランティア活動など、社会とつながる機会が多くあります。そのため、社会とのつながりを持ちたい人や、社会経験を積みたい人にもおすすめです。
6.3 通信制中学とフリースクールの併用
通信制中学とフリースクールは、併用することも可能です。たとえば、通信制中学で卒業資格を取得しながら、フリースクールで自分の興味関心に沿った学習をすることができます。それぞれのメリットを活かしながら、自分に合った学習スタイルを見つけることが大切です。
項目 | 通信制中学 | フリースクール |
---|---|---|
卒業資格 | 取得可能 | 取得不可(一部の学校を除く) |
学習スタイル | 自分のペースで学習可能 | 自分のペースで、興味関心に沿った学習可能 |
費用 | 全日制高校より安価 | 学校によって異なる |
集団生活 | スクーリングやイベントなどで交流あり | 学校によって異なる |
社会とのつながり | 学校行事やボランティア活動などで機会あり | 地域活動やボランティア活動などで機会豊富 |
通信制中学とフリースクールは、従来の学校生活では得られない貴重な経験ができる場です。自分に合った学び方を見つけて、充実した学校生活を送ってください。
7. 不登校・学校が合わない…相談窓口を紹介
不登校や学校生活に悩みを抱えている場合、一人で抱え込まずに、信頼できる大人や専門機関に相談することが大切です。相談することで、状況が好転する可能性があります。ここでは、相談できる窓口をいくつかご紹介します。
7.1 公的な相談窓口
7.1.1 全国共通の相談窓口
機関名 | 相談内容 | 電話番号 | 受付時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
24時間子供SOSダイヤル |
| 0570-0-78310 (通話料無料) | 24時間受付 | 携帯電話・PHSからも利用可能 通話できない場合は、チャット相談も利用可能 |
チャイルドライン |
| 0120-997777 (通話料無料) | 毎日14:00~21:00 (地域によって異なる) | 18歳までの子ども専用電話 相談は電話またはチャットで受け付け |
7.1.2 地域別の相談窓口
多くの都道府県や市区町村に、教育相談センターや青少年相談センターなどの相談窓口が設置されています。これらの窓口では、不登校や学校生活の悩み、進路、家庭環境など、様々な相談に対応しています。
7.2 民間団体による相談窓口
NPO法人や民間団体が運営する相談窓口も多数あります。これらの団体は、不登校やひきこもりの支援、教育問題、発達障害など、それぞれの専門分野に特化した相談窓口を設けている場合があります。
- 不登校支援センター
- フリースクールネットワーク
- 子どもの権利擁護団体
7.3 その他
- 学校の担任の先生やスクールカウンセラー:日頃から子どもの様子をよく知っているため、相談しやすい存在です。
- 地域の民生委員・児童委員:地域住民の相談窓口として、様々な問題に対応しています。
- 医療機関:心身の不調が原因で不登校になっている場合は、医療機関への相談も検討しましょう。
相談窓口によって、対応時間や相談方法、専門分野などが異なります。事前にホームページなどで確認してから利用しましょう。
また、相談する際には、以下の点に注意しましょう。
- 自分の気持ちを正直に伝える
- 相談したいことを整理しておく
- 解決策を一緒に考えてもらう
相談することは、問題解決への第一歩です。一人で抱え込まずに、まずは相談してみましょう。
8. まとめ
ここまで、通信制中学とフリースクールの特徴について解説してきました。不登校や学校生活に悩んでいるお子さんにとって、学習の機会や安心できる居場所を見つけることは非常に大切です。自分のペースで学習を進められる通信制中学は、学習の遅れを取り戻したい、自分の興味関心を追求したいというお子さんに向いています。一方、フリースクールは、学校のようなカリキュラムに縛られず、多様なプログラムを通して社会性やコミュニケーション能力を育みたいというお子さんに向いています。どちらにもメリット・デメリットがあり、お子さんにとって最適な選択は一人ひとり異なります。ぜひ今回の内容を参考に、お子さんに合った学び方を見つけてあげてください。
安心できる居場所・新しいことに挑戦する・自分だけのユメを見つける
自分のやりたいことが夢へとつながる、仲間・体験がYUMESchoolにはあります
ご相談・ご見学などお気軽にお問合せください
保有資格
∟中学校教諭一種免許、高等学校教諭一種免許
経歴
∟千葉県技能連携校 校舎長
∟千葉県通信制高校 開校責任者 校舎長 エリアマネージャー
∟ロサンゼル日本人学校 学園長補佐
∟埼玉県技能連携校 校舎長
∟埼玉県フリースクール フリースクール長 などを歴任したのちにYUME Schoolに経営幹部として参画。