News

2024.11.27
記事

中学で不登校になったら?親が知りたい対応と相談先

「うちの子、もしかして不登校?」中学校で子どもが不登校になってしまい、不安な気持ちを抱えている親御さんは少なくありません。文部科学省の調査によると、令和4年度における中学生の不登校生徒数は19万人を超え、年々増加傾向にあります。不登校は決して特別なものではなく、誰にでも起こりうる問題です。この記事では、不登校の定義や原因、子どもへの接し方、そして学校や相談機関などの具体的な支援策まで、不登校に直面した親御さんが知りたい情報を網羅的に解説します。この記事を読むことで、不登校に対する正しい理解を深め、お子さんに寄り添った対応ができるようになり、安心して相談できる場所を見つけることができるでしょう。

目次

1. 不登校とは?

1.1 不登校の定義

文部科学省では、不登校を「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校したくても登校できない状況にあるため、年間30日以上欠席している状態」と定義しています。

これは、病気や経済的な理由を除き、子ども自身の意思に基づかない欠席を指します。つまり、

  • 朝、お腹が痛くなるなど、身体的な症状が出る
  • 学校に行こうとすると、強い不安や恐怖を感じる
  • 学校生活に馴染めず、孤立感や疎外感を抱いている

といった状態が続き、結果として年間30日以上欠席している場合、不登校とみなされます。

1.2 不登校の原因

不登校の原因は、一概には言えず、子どもによって様々です。しかし、大きく分けると以下の3つの要因が考えられます。

1.2.1 学校要因

  • いじめや友人関係のトラブル
  • 教師との関係性の悪化
  • 学習の遅れや授業についていけない
  • 学校行事や部活動への負担感

1.2.2 家庭要因

  • 家庭環境の変化(転居、離婚、親の病気など)
  • 親子関係の不和
  • 過度な期待やプレッシャー
  • 虐待やネグレクト

1.2.3 本人要因

  • 発達障害(ADHD、自閉症スペクトラムなど)
  • 不安障害や抑うつなどの精神的な問題
  • 自己肯定感の低さ
  • 完璧主義や責任感が強い性格

これらの要因が複雑に絡み合い、不登校に至るケースが多いと考えられています。例えば、発達障害のある子どもが、学校の授業形態に馴染めず、学習についていけないことで、強いストレスを感じ、不登校になることがあります。また、親の過度な期待やプレッシャーが、子どもの自己肯定感を低下させ、学校生活への意欲を失わせることもあります。

1.3 不登校の現状

文部科学省の調査によると、令和3年度の不登校の児童生徒数は、小学校で約8万1千人、中学校で約14万4千人、高等学校で約4万9千人に上ります。これは、過去最多の数字であり、深刻な状況と言えるでしょう。令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について

不登校は、以前は「怠けている」「甘えている」といった偏見を持たれることもありました。しかし、近年では、社会全体で不登校に対する理解が進み、「子どもからのSOSのサイン」として捉えられるようになっています。

不登校は、決して特別な問題ではありません。誰にでも起こりうる可能性があります。大切なのは、早期に気づき、適切な対応をすることです。

2. 不登校かな?と思ったら

2.1 子どもの様子

中学生にもなると、小学生よりも複雑な心境の変化が現れやすく、身体症状や行動にも変化が出やすいため、見極めが難しい場合もあります。まずは、下記のような変化がないか注意深く観察してみましょう。

2.1.1 身体的症状

  • 朝起きるのがつらいと言い出す
  • 頭痛や腹痛を訴える
  • 食欲不振や過食
  • 睡眠障害(寝つきが悪い、夜中に何度も起きる、過眠など)
  • 疲れやすい、だるい
  • 原因不明の体調不良

これらの症状は、身体的な病気の可能性もあれば、精神的なストレスが原因で現れている場合もあります。重要なのは、子どもの訴えを頭ごなしに否定せず、「つらいね」「ゆっくり休んでね」など、共感の言葉を伝えることです。医療機関を受診する必要があるかどうかの判断も大切です。

2.1.2 行動の変化

  • 学校に行きたがらない、または行かない
  • 遅刻や早退が増える
  • 授業中に集中できない、ぼーっとしている
  • 成績が低下する
  • 友達と遊ばなくなった
  • 趣味や興味関心がなくなった
  • イライラしやすくなった
  • 泣いたり怒ったりすることが増えた
  • 部屋に閉じこもりがちになった
  • インターネットやゲームに没頭する

これらの行動の変化は、不登校のサインである可能性があります。しかし、思春期特有の反抗期や、一時的なスランプと区別が難しい場合もあるため、注意が必要です。子どもの様子を注意深く観察し、変化が続くようであれば、早めに対処することが大切です。

2.1.3 学校からの連絡

学校から、子どもの様子について連絡があった場合も、注意が必要です。例えば、下記のような連絡があった場合は、不登校のサインかもしれません。

  • 授業中に集中力がない
  • 友達とのトラブルが多い
  • 休み時間にも教室から出てこない
  • 保健室で休むことが多い

学校からの連絡は、子どもがSOSを発しているサインである可能性もあります。連絡の内容を詳しく聞き取り、子どもとじっくり話し合うことが重要です。

2.2 親としてやってはいけないこと

不登校かな?と思ったら、親としてやってはいけないことがいくつかあります。焦る気持ちは分かりますが、まずは冷静になることが大切です。

2.2.1 無理に登校させない

不登校の背景には、必ず理由があります。学校に行きたくない理由を無理に聞き出したり、無理強いして登校させようとすると、子どもの心に負担をかけてしまい、状況が悪化してしまう可能性があります。まずは、子どもの気持ちを理解し、安心できる環境を作ることが大切です。

2.2.2 叱責したり、否定したりしない

「甘えている」「みんな頑張っている」「どうして行けないの」など、頭ごなしに叱責したり、子どもの気持ちを否定するような言葉は逆効果です。不登校は、甘えや怠けではありません。子ども自身のSOSのサインです。頭ごなしに叱責するのではなく、「つらいね」「何かあったら話してね」と、共感の気持ちを持って接してあげてください。

2.2.3 一人で抱え込まない

不登校は、決して特別な問題ではありません。一人で抱え込まず、信頼できる人に相談することが大切です。学校の先生や相談機関、同じ経験を持つ親の会など、様々なサポートがあります。一人で悩まず、周りの人に頼ってください

3. 不登校の対応策

3.1 家庭でできること

3.1.1 子どもの話を聞く

不登校になった子どもは、様々な不安や葛藤を抱えています。まずは、子どもの気持ちを理解し、受け止めることが大切です。頭ごなしに否定したり、叱ったりするのではなく、「つらいね」「何かあったら話してね」と寄り添う姿勢を示しましょう。子どものペースに合わせて、じっくりと耳を傾けてください。

  • 「どうしたの?」「何かあった?」と、子どもの気持ちを聞くことから始めましょう。
  • 子どもの話に耳を傾け、否定的な言葉は避けましょう。「~すべき」「~しなさい」といった言葉も、子どもの気持ちを閉ざしてしまう可能性があるので注意が必要です。
  • 話したくない場合は、無理に聞き出そうとせず、話せる雰囲気作りを心がけましょう。

3.1.2 無理に登校させない

不登校の子どもにとって、学校に行くことは大きなストレスになります。無理に登校させようとすると、子どもの負担が増し、状況が悪化する可能性もあります。まずは、子どもの心身の安定を最優先に考え、ゆっくりと休ませることが重要です。

  • 「学校に行かなきゃいけない」とプレッシャーを与えることは避けましょう。
  • 体調や気持ちに合わせて、登校するかどうかを子ども自身に決めさせましょう。
  • 学校に行かなくても、自宅でできる学習支援などを検討してみましょう。

3.1.3 規則正しい生活リズムを取り戻す

不登校になると、生活リズムが乱れがちになります。しかし、規則正しい生活を送ることは、心身の安定に非常に重要です。朝は決まった時間に起き、朝食を摂り、夜は決まった時間に寝るように心がけましょう。規則正しい生活リズムを取り戻すことで、少しずつ心身のバランスを取り戻していくことができます。

  • 朝は決まった時間に起こし、カーテンを開けて太陽の光を浴びさせましょう。
  • 朝食は必ず食べるようにし、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
  • 夜はスマホやテレビの時間を決めて、十分な睡眠時間を確保しましょう。
  • 軽い運動や散歩など、体を動かす習慣をつけましょう。

3.2 学校と連携する

不登校の解決には、学校との連携が不可欠です。学校側に状況を伝え、子どもの気持ちを理解してもらうように努めましょう。また、学校で実施されている不登校の支援制度についても、積極的に情報収集を行いましょう。

3.2.1 担任の先生に連絡

まずは、子どもの担任の先生に、不登校になったことを連絡しましょう。電話やメールで構いません。その際、子どもの様子や家庭での様子、不登校になったきっかけなどについて、詳しく伝えられるように準備しておきましょう。

  • いつから学校に行かなくなったのか、具体的な日付を伝えましょう。
  • 学校に行かない理由が分かれば、それも伝えましょう。ただし、無理に聞き出そうとする必要はありません。
  • 家庭での様子を具体的に伝えましょう。食欲や睡眠時間、気分の浮き沈みなど、普段と変わった点があれば伝えましょう。

3.2.2 学校訪問

電話やメールだけでなく、できれば直接学校を訪問し、担任の先生と面談する機会を設けましょう。直接会って話すことで、よりスムーズな情報共有や連携体制を築くことができます。また、学校の様子を直接見聞きすることで、子どもの不安を軽減できる場合もあります。

  • 学校に行くことへの不安や抵抗感を減らすために、子どもと一緒に学校を訪問するのも良いでしょう。
  • 学校側が家庭訪問を申し出てくれる場合もあります。その際は、都合の良い日時を調整しましょう。

3.2.3 個別指導計画の作成

学校教育法では、不登校の生徒に対して、個別指導計画の作成が義務付けられています。個別指導計画とは、子どもの状況やニーズに合わせて、学習内容や方法、登校の仕方などを柔軟に調整する計画のことです。担任の先生と相談しながら、子どもにとって最適な計画を作成してもらいましょう。

  • 個別指導計画の内容は、子どもの状況やペースに合わせて、柔軟に見直していくことが大切です。
  • 学校によっては、個別指導計画に基づいた家庭訪問や学習支援などを行っている場合があります。積極的に活用しましょう。

4. 相談できる場所

4.1 学校

4.1.1 スクールカウンセラー

スクールカウンセラーは、子どもたちの心のケアを専門とする相談員です。不登校やいじめ、友人関係の悩みなど、子どもたちが抱える様々な問題について、相談に乗っています。秘密は厳守されますので、安心して相談してみましょう。

4.1.2 養護教諭

養護教諭は、子どもたちの健康管理や保健指導を担当する教諭です。身体的な不調だけでなく、精神的な不安やストレスについても相談することができます。必要に応じて、医療機関への受診を勧められることもあります。

4.2 教育委員会

4.2.1 適応指導教室

適応指導教室は、不登校の子どもたちが、学校に復帰するための準備をするための施設です。学習支援や生活指導、集団活動などを通して、子どもたちの社会性を育み、学校生活への適応を促します。利用は無料で、市区町村の教育委員会が設置しています。

4.3 公的な相談機関

4.3.1 子ども相談センター

子ども相談センターは、18歳未満の子どもとその保護者を対象とした相談機関です。虐待や非行、発達障害、不登校など、子どもに関するあらゆる相談に対応しています。24時間体制で相談を受け付けているところが多く、秘密は厳守されます。

4.3.2 精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは、こころの健康に関する相談や支援を行う公的な機関です。うつ病や不安障害、発達障害など、様々な精神的な問題について、専門の相談員が対応しています。相談は無料で、秘密は厳守されます。

4.4 民間支援団体

4.4.1 NPO法人など

不登校の支援を行うNPO法人や民間団体も数多くあります。学習支援やカウンセリング、フリースクール運営など、様々な活動を通して、不登校の子どもたちをサポートしています。インターネットなどで検索して、自分に合った団体を探してみましょう。

5. 不登校のその後

5.1 復学

不登校からの回復には、焦りは禁物です。子どものペースに合わせて、少しずつ学校に慣れていくことが大切です。まずは、短時間だけ登校してみたり、給食の時間だけ参加してみたり、できる範囲から始めてみましょう。また、学校側と連携し、子どもの状況に合わせて、柔軟に対応していくことが重要です。

5.2 進学

5.2.1 高校進学

不登校であっても、高校進学の道は閉ざされていません。全日制高校だけでなく、定時制高校や通信制高校など、様々な選択肢があります。また、近年では、不登校経験者を受け入れる高校も増えています。子どもの状況や希望に合わせて、最適な進路を検討しましょう。

5.2.2 高卒認定試験

高卒認定試験は、高等学校卒業者と同等以上の学力があると認められる国家資格です。合格すると、大学や専門学校への受験資格が得られます。高校に通わずに、高卒資格を取得することも可能です。

6. フリースクールという選択肢

フリースクールは、学校教育法に規定されない、民間が運営する教育機関です。学校に行きづらい、あるいは行きたくない子どもたちが、自分のペースで学習したり、様々な体験を通して、社会性を身につけたりすることができます。フリースクールには、様々なタイプの学校がありますので、子どもの興味や関心に合った学校を選ぶことが大切です。

  • フリースクールは、学校に行かないことを肯定する場所ではありません。あくまでも、子どもたちが安心して過ごせる居場所であり、社会性を育むための学びの場です。
  • フリースクールの費用は、学校によって異なります。見学や体験入学などを 통해、事前にしっかりと確認しておきましょう。

7. 相談できる場所

不登校のお子様に関する相談は、早期に、適切な場所へ相談することが大切です。相談場所は多岐に渡るため、まずはどこに相談すれば良いか迷うこともあるかもしれません。ここでは、相談できる場所を具体的にご紹介しますので、お子様に合った場所を見つけてみてください。

7.1 学校

学校は、子どもが毎日通う場所であり、先生方は子どもの様子をよく知っています。そのため、不登校のサインにいち早く気づき、対応してくれる可能性があります。また、学校には、スクールカウンセラーや養護教諭など、専門的な知識を持ったスタッフもいますので、気軽に相談してみましょう。

7.1.1 スクールカウンセラー

スクールカウンセラーは、子どもたちの心のケアを専門とする相談員です。不登校の原因や子どもの気持ち、家庭環境などについて、じっくりと話を聞いてくれます。秘密は厳守されますので、安心して相談することができます。 文部科学省:スクールカウンセラー配置事業

7.1.2 養護教諭

養護教諭は、子どもの健康管理や保健指導を行う専門家です。不登校が身体的な原因で起こっている場合もあります。身体の不調や発達の遅れなど、気になることがあれば相談してみましょう。 文部科学省:養護教諭の仕事

7.2 教育委員会

教育委員会は、地域の教育行政を担う機関です。不登校に関する相談窓口を設けている場合があり、専門の相談員が対応してくれます。また、適応指導教室などの情報提供も行っています。

7.2.1 適応指導教室

適応指導教室は、不登校などの理由で学校生活に適応するのが難しい子どもたちに対して、学習や生活の指導、集団生活への適応訓練などを行うための教育機関です。教育委員会が設置している場合や、民間団体が運営している場合があります。 文部科学省:不登校に関する取り組み

7.3 公的な相談機関

国や地方自治体が設置している相談機関も、不登校に関する相談を受け付けています。専門の相談員が、子どもの状況や家族の希望に応じて、適切なアドバイスや支援情報などを提供してくれます。

7.3.1 子ども相談センター

子ども相談センターは、18歳未満の子どもに関するあらゆる相談に対応する機関です。不登校の相談はもちろんのこと、虐待やいじめ、発達障害など、幅広い悩みに対応しています。相談は無料で、秘密は厳守されます。 厚生労働省:子ども・子育て支援

7.3.2 精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは、こころの健康に関する相談窓口です。不登校が、うつ病や不安障害などの精神的な問題と関連している場合もあります。専門の医師や相談員に相談することができます。 厚生労働省:こころの健康

7.4 民間支援団体

不登校の経験者やその家族、支援者などが設立したNPO法人など、民間支援団体も数多くあります。同じような悩みを持つ人たちと交流したり、情報交換したりすることができます。また、不登校の子どもたちのためのフリースクールや学習塾などを運営している団体もあります。

7.4.1 NPO法人など

不登校に関する支援活動を行っているNPO法人は全国に数多くあります。これらの団体では、電話相談やメール相談、面談相談など、様々な方法で相談を受け付けています。また、不登校の子どもたちのためのイベントやワークショップなどを開催している団体もあります。

団体名活動内容
NPO法人 全国不登校新聞社不登校に関する情報発信、電話相談、メール相談、フリースクール運営など
認定NPO法人 フリースクール全国ネットワークフリースクールに関する情報提供、相談窓口、研修事業など

それぞれの相談機関によって、対応や専門分野が異なります。お子様に合った場所を見つけることが重要です。複数の機関に相談し、情報を集めることも有効です。

8. 不登校のその後

不登校の経験は、その後の進路や人生に様々な影響を与える可能性があります。しかし、決して将来が閉ざされるわけではありません。大切なのは、子ども自身のペースや気持ちを尊重しながら、柔軟に対応していくことです。

8.1 復学

不登校からの回復過程は、子どもによって様々です。焦らず、子どものペースに合わせて、段階的に復学を目指していくことが重要です。

8.1.1 段階的な復学

  • 登校しなくてもよい日を設定する:週に1回、または午前中だけなど、負担の少ない形から始めます。
  • 居場所作り:保健室登校や、図書館など、安心できる場所を確保します。友達がいない時間帯を選ぶなど、子どもの不安を軽減できるよう配慮することが大切です。
  • 授業参加:一部の授業参加から始め、徐々に通常授業に戻していく方法もあります。本人の状況や希望を考慮しながら、無理のないペースで進めていきましょう。

8.1.2 復学支援

多くの学校では、不登校生徒の復学を支援する体制を整えています。スクールカウンセラーや担任の先生などに相談し、適切なサポートを受けられるようにしましょう。

8.2 進学

不登校であっても、進学の道は閉ざされていません。高校進学、高卒認定試験など、様々な選択肢があります。

8.2.1 高校進学

  • 全日制高校:一般的な高校です。学校によっては、不登校経験者へのサポート体制が充実している場合があります。オープンキャンパスや説明会に参加し、学校の雰囲気やサポート内容を確認しましょう。
  • 定時制高校:夜間や昼間に授業が行われるため、働きながら学ぶことも可能です。自分のペースで学習を進めたい場合や、経済的な事情でアルバイトが必要な場合に適しています。
  • 通信制高校:自宅学習が中心で、自分のペースで学習を進めることができます。レポート提出やスクーリングなど、学校へ行く機会もありますが、全日制高校に比べて自由度が高い点が特徴です。
  • サポート校:不登校や学習の遅れに悩む生徒を対象とした学校です。少人数制で、きめ細やかな指導を受けることができます。

8.2.2 高卒認定試験

高卒認定試験は、高等学校卒業者と同等以上の学力があると認められるための試験です。合格すると、大学や専門学校への受験資格が得られます。
文部科学省:高等学校卒業程度認定試験

8.3 進路選択のポイント

  • 子どもの意思を尊重する:進路は、子ども自身が将来に向けて歩んでいくためのものです。親は、子どもの意思を尊重し、サポートに徹することが大切です。
  • 情報収集:様々な選択肢について、よく情報収集を行いましょう。学校説明会や体験入学に参加するなど、実際に自分の目で見て、確かめることが重要です。
  • 相談する:進路選択に迷ったときは、一人で抱え込まず、周りの人に相談しましょう。学校の先生やキャリアカウンセラー、家族や友人など、信頼できる人に話を聞いてもらうことで、気持ちが整理できることもあります。

9. フリースクールという選択肢

フリースクールは、学校教育に馴染めない子どもたちのためのオルタナティブな学びの場です。学校に行かないことを選択した子どもたちが、安心して過ごせる居場所を提供するとともに、学習支援や体験活動などを通して、子どもたちの成長をサポートしています。

9.1 フリースクールの種類

フリースクールには、様々な種類があります。それぞれ特徴や教育方針が異なるため、子どもの状況やニーズに合わせて選ぶことが大切です。

種類特徴
学習支援型学習塾のように、教科指導を中心に行うフリースクールです。学校の授業の遅れを取り戻したい、受験対策をしたいという子どもに向いています。
体験学習型自然体験や創作活動など、体験を通して子どもたちの成長を促すことを目的としたフリースクールです。集団生活やコミュニケーション能力を身につけたい、自己肯定感を高めたいという子どもに向いています。
カウンセリング重視型心理カウンセラーなど、専門スタッフによるカウンセリングを重視したフリースクールです。不登校の背景にある心理的な問題を抱えている、心のケアを必要としているという子どもに向いています。

9.2 フリースクールのメリット

  • 安心できる居場所:学校に行っていないことで感じる不安や孤独を和らげ、安心して過ごせる居場所を提供します。
  • 自分のペースで学べる:学校のような一斉授業ではなく、個々のペースに合わせて学習を進めることができます。
  • 多様な価値観に触れられる:様々な背景を持つ子どもたちと交流することで、多様な価値観に触れ、社会性を育むことができます。

9.3 フリースクールの選び方

  • 見学や体験に行く:実際にフリースクールに足を運び、雰囲気やスタッフとの相性を確認しましょう。
  • 教育方針を確認する:どのような教育方針で運営されているのか、ホームページなどで確認しましょう。
  • 費用を確認する:フリースクールに通うには、費用が発生します。事前に費用体系を確認しておきましょう。

不登校のその後は、子どもによって大きく異なります。大切なのは、子どもの状況に合わせて、柔軟に対応していくことです。様々な選択肢を検討し、子どもにとって最善の道を一緒に見つけていきましょう。

10. フリースクールという選択肢

不登校の中学生にとって、フリースクールは学校以外の居場所となるだけでなく、学習面や精神面でのサポートを受けながら、自分のペースで成長できる場として注目されています。ここでは、フリースクールについて詳しく解説していきます。

10.1 フリースクールとは?

フリースクールは、学校教育法に規定された学校ではなく、民間が運営する教育機関や施設です。そのため、学校のように出席日数や成績が評価されることはなく、子どもたちは比較的自由な環境で過ごすことができます。ただし、フリースクールと一言で言っても、その形態や運営方針は多岐にわたります。

10.2 フリースクールの種類

フリースクールは、大きく分けて以下の3つの種類に分類されます。

  • 学習支援型
  • 体験学習型
  • カウンセリング重視型

10.2.1 学習支援型

学習支援型のフリースクールは、学校の授業に代わる学習支援をメインに行っています。塾のように教科指導に力を入れているところもあれば、子どもたちの興味関心に基づいた独自のカリキュラムで学習を進めていくところもあります。

10.2.2 体験学習型

体験学習型のフリースクールは、自然体験や農業体験、芸術活動など、学校では経験できないような体験を通して、子どもたちの成長を促すことを目的としています。野外活動や創作活動などを通して、協調性やコミュニケーション能力、問題解決能力などを育むことを目指します。

10.2.3 カウンセリング重視型

カウンセリング重視型のフリースクールは、不登校によって傷ついた子どもたちの心のケアを重視しています。臨床心理士などの専門スタッフによるカウンセリングや、グループセラピーなどを通して、子どもたちの心の安定と自立をサポートします。

10.3 フリースクールのメリット

フリースクールに通うメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 自分のペースで学習できる
  • 多様な価値観に触れることができる
  • 安心できる居場所を見つけられる

10.3.1 自分のペースで学習できる

フリースクールでは、学校の授業のように一斉授業形式ではなく、個々のペースに合わせて学習を進めることができます。そのため、学習につまずきを感じている子どもや、自分の興味関心に基づいた学習をしたい子どもにとって、最適な学習環境と言えるでしょう。

10.3.2 多様な価値観に触れることができる

フリースクールには、様々な背景や個性を持った子どもたちが集まっています。そのため、学校では出会えないような友達や大人と関わることで、子どもたちの視野が広がり、多様な価値観を育むことができます。

10.3.3 安心できる居場所を見つけられる

不登校の子どもにとって、学校以外の居場所を見つけることは非常に重要です。フリースクールは、子どもたちにとって、安心できる居場所であると同時に、自己肯定感を高め、社会性を身につけることができる場所でもあります。

10.4 フリースクールのデメリット

フリースクールに通うデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 経済的負担が大きい
  • 進路選択が限られる場合がある
  • 学校との連携が難しい場合がある

10.4.1 経済的負担が大きい

フリースクールは、学校教育法に規定された学校ではないため、国や自治体からの補助金が少なく、その分、利用者の経済的負担が大きくなってしまいます。月謝や教材費など、ある程度の費用がかかることを理解しておく必要があります。

10.4.2 進路選択が限られる場合がある

フリースクールは、学校ではないため、フリースクールに通っているだけでは、高校受験資格を得ることができません。高校進学を目指す場合は、高卒認定試験を受験する、もしくは、通信制高校やサポート校に通うなどの方法を検討する必要があります。ただし、近年では、フリースクールに通いながら高校卒業資格を取得できる学校も増えてきています。

10.4.3 学校との連携が難しい場合がある

フリースクールは、学校との連携体制が整っていない場合もあるため、進路相談や学習指導などで、学校側の理解と協力が得られないケースもあります。フリースクールに通う場合は、事前に学校との連携体制について確認しておくことが重要です。

10.5 フリースクールを選ぶポイント

フリースクールを選ぶ際には、以下のポイントを参考に、子どもの状況や希望に合ったフリースクールを選ぶようにしましょう。

項目内容
教育方針・理念フリースクールが掲げる教育方針や理念が、自身の教育方針や子どもの状況と合致しているかを確認しましょう。
スタッフ子どもたちの指導やサポートにあたるスタッフの質や経験、専門性なども重要な要素です。
カリキュラム・プログラム子どもたちの興味関心を引き出し、自主性を育むようなカリキュラムやプログラムが用意されているかを確認しましょう。
費用月謝や教材費、その他費用など、事前に確認しておきましょう。
アクセス自宅からのアクセスも重要な要素です。通学しやすい場所にあるかを確認しましょう。

10.6 フリースクールに通う前の注意点

フリースクールに通う場合は、事前に以下の点について確認しておきましょう。

  • 体験入学・見学
  • 学校との連携
  • 費用

10.6.1 体験入学・見学

多くのフリースクールでは、体験入学や見学を受け付けています。実際にフリースクールに足を運んで、雰囲気や指導方法などを確認してみましょう。子どもと一緒に見学に行くことで、子どもの不安を軽減できるだけでなく、子ども自身が自分に合ったフリースクールかどうかを判断する材料にもなります。

10.6.2 学校との連携

フリースクールに通う場合でも、在籍は元の学校となります。進路相談や学習指導など、学校との連携が必要となる場面も出てきますので、事前に学校との連携体制について確認しておきましょう。また、学校側にフリースクールに通うことを伝える際には、フリースクールのパンフレットなどを持参し、フリースクールについて理解を得られるように努めましょう。

10.6.3 費用

フリースクールに通うには、月謝や教材費など、ある程度の費用がかかります。事前に費用について確認し、無理なく通えるかどうかを検討しましょう。また、自治体によっては、フリースクールへの通学費用を助成する制度を設けている場合もありますので、お住まいの自治体の窓口に問い合わせてみましょう。

10.7 不登校は終わりではない

不登校は、決して恥ずべきことではありません。大切なのは、子どもの状況に合わせて、適切な対応をすることです。フリースクールは、不登校の子どもたちにとって、新たな可能性を広げるための選択肢の一つとなります。フリースクールという選択肢も視野に入れながら、子どもにとって最善の道を考えていきましょう。


安心できる居場所・新しいことに挑戦する・自分だけのユメを見つける
自分のやりたいことが夢へとつながる、仲間・体験がYUMESchoolにはあります

ご相談・ご見学などお気軽にお問合せください

お知らせ一覧を見る